ICT教育/アクティブ・ラーニング教育

教育の効率化を図る各種のデジタルデバイスやプラットフォームなど「ICT教育」を積極的に導入。
社会人になってからの必要なチカラを養う「アクティブラーニング」も充実。

電子黒板

校内の普通教室に電子黒板とApple TVを設置。授業に合わせた静止画像や動画を配信可能です。電子黒板に提示した写真や図を拡大表示したり、直接文字や印を書き込んで説明したりすることで、従来の板書と比べて生徒の学習意欲や理解力が高まります。また、先生の説明時に生徒たちの注目を得やすくなり、集中力アップの効果も期待されます。提示した内容をすばやく拡大表示したり、動きのあるコンテンツを見せたりなど、紙や黒板ではできなかったことが可能になるため、よりアクティブな授業が展開されます。

iPadを用いた授業

授業用iPadを45台用意しています。iPadを用いると先生から生徒へ一方的に教えるだけの授業ではなく、双方に、コミュニケーションを取りながら進める授業となり、コミュニケーション能力や表現力がアップします。iPadを使えば、先生から生徒への一方通行の授業ではなく、先生と生徒、あるいは生徒同士による双方向型の授業が実現します。

Classi

Classiは学校ICT化を多目的にサポートする教育プラットフォームです。

①コミュニケーションツール

学校からの連絡事項は紙媒体だけでなく、Classiにも配信されるので、下宿や寮で生活する生徒の保護者様にも、学級通信や校内文書を閲覧することができます。

②ポートフォリオ

ポートフォリオとは、高校生活のさまざまな活動の記録をデジタル化して残すことができるシステムです。新入試制度では、学力だけでなく、高校の部活動や行事でどういった活動を行ったか、そこから何を学んだのかを評価する入試が広がる可能性があります。Classiがポートフォリオを一元管理してくれるので、新入試に対応したポートフォリオ作成を支援してくれます。

③学習動画

中学校から高校の学習範囲まで、1,000以上の単元をカバーしています。搭載動画は約12,000本。有名講師陣のノウハウが込められた動画で、生徒の「わからない」に寄り添います。自学自習のコンテンツとしても役立ちます。

ロイロノート・スクール

ロイロノート・スクールは、iPadなどのタブレットを使うことで子どもたちの主体性をのばす授業を作るためのツールです。

①クラス全員の考え方を共有する

ロイロノート・スクールを使うと、先生の質問に生徒全員が一斉に答えることができます。写真のように、クラス全員の答えを一覧で表示することができます。

②学び合い

先生と生徒のやり取りだけでなく、生徒同士で考えや意見を送り合うことができます。グループで、あるテーマについて協働学習をする際に意見や考えをやり取りできるので、そこでロイロノート・スクールの威力が発揮されます。

Microsoft 365が使える

白樺学園高校の生徒はMicrosoft 365のアカウントを手に入れることができます。メールアドレスや1TBのクラウドストレージサービスを提供されるだけでなく、自分のパソコン、タブレットやスマートフォンでwordやexcel、PowerPointの編集もできるようになります。”One Note”を使って、自宅から先生に課題を提出したり、”Teams”を使ってリモート授業やオンライン授業を受講することもできます。

電子図書館

本校の電子図書館は、2020年11月に開設されました。管内の高等学校としては、初の導入になったと思います。 電子図書館、電子書籍の良いところは、自分のスマートフォンやタブレットでいつでもどこでも自分の好きなタイミングで本を借りて読むことができ、モノとしての本を持ち歩く必要がないことです。読後も簡単な操作ですぐに返却できますし、その操作を忘れたとしても、貸出期間が過ぎれば自動的に返却されます。また、音声読み上げ機能を利用して、何かしながら、例えば、筋力トレーニングだとかランニング等をしながら本を「聞く」こともできます。このように、モノである本や学校にある図書館とはずいぶん違った使い方ができます。 電子図書館と、実際に学校の中にある図書館の両方を利用して、より多くの知識を身につけ、読書を通して、急速に変化していく社会で、自己実現できる力を養ってほしいです。

教え合う授業「アクティブ・ラーニング」の魅力

数学科 秦 洋輔 先生

 社会人になると「コミュニケーション力」や「考える力」、「協調性」が求められます。このような「能力」を高校を卒業するまでに獲得させたいと思ったとき、私は、“アクティブ・ラーニング”が有効であると考えています。
 私は数学を担当していますが、多くの生徒は数学に苦手意識を持っており、苦手な勉強を主体的に頑張ろうと思っても難しいと思います。そこで私は、主にグループワークを取り入れ、生徒たちが主体的に学ぶ環境を作っています。数学が苦手な生徒の特長の1つに、わからないものをわからないままにしてしまうことが挙げられますが、苦手な生徒が直接先生に聞きに行くことは難しいですし、特に授業中に質問するのはもっと難しいことです。でも、友達にだったら聞き易いのではないか、そして、わからないと思った瞬間に質問できるとより効果的で、グループワークではこれが可能となります。苦手な勉強の克服は、まずわからないと思ったときに「わからない」の一言を誰かに伝えることがはじめの一歩です。一方で教える生徒も、友達から「わかった」という言葉を聞くと自分の自信に繋がります。また、勉強を教えてあげる過程で自分が理解したつもりになっていたことに気づき、より深い学びに繋がっていきます。このようにグループワークを通して互いに勉強を教え合える環境を作ってあげることで、数学に対して少しでも前向きな気持ちになれるのではと思っています。
 さて、上記のような取り組みにより、数学の問題を解くための会話が生まれます。会話の中で、どのように教えたらわかってもらえるのか、「わからない」をどのように伝えたら教えてくれるのか考えます。また、クラス全員が出来るようになることを全体で共有できれば、協力し合う気持ちや相手を思いやる気持ちが生まれます。困っている友達はいないか、何に困っているのかなど、あらゆる事に気づける力を身につけることにも期待できます。このように、私は、知識の習得だけではなく、冒頭にあった社会人に求められるであろう「能力」に加え、「人としての成長」も授業を通して養うことが可能であるところに、“アクティブ・ラーニング”の魅力を感じています。

教え合う授業
〜「反転授業」を用いて〜

「ラーニングピラミッド」とは、どのような学習方法がしっかり頭に残るかを分類してピラミッド型の図にまとめたものです。7つの学習方法を学習の定着率順に並べています。本校の授業のいくつかはラーニングピラミッドにある学習の定着率の高い「議論し合うグループ」や「他者に教える」を用いています。「教え合う授業」の補助として「反転授業」を行うクラスもあります。「反転授業」は通常の「授業→復習」の流れとは逆転した「予習→授業」の形で行われる授業です。先生によってclassiや動画共有サイトに授業前に公開された「予習動画」が公開されます。それを見た生徒が、その授業についてクラスメイトとディスカッションをしたり、自分自身がより良い説明で、クラスメイトに教える授業を展開しています。

「ラーニングピラミッド」
定着率の高い学習方法を用いて、生徒の理解を深めます。

野外学習/外来種駆除実習

「帯広~芽室の豊かな自然を題材に環境教育を」をテーマに白樺学園高校近隣に流れている第二柏林台川で「外来種駆除実習」を行っています。外来種であるウチダザリガニを駆除し、絶滅危惧種である「ニホンザリガニ」を保護していくことの重要性をこの実習で学んでいきます。

テレビ東京が作成する番組「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」内で、タレントのお笑い芸人ハリセンボン・箕輪はるかさんやNPO法人birthの久保田潤一さんと実習を行ったときの写真。

フィールドワーク/芽室町議会訪問

芽室町議会と白樺学園高校との連携協定事業の一環で、『地方自治を学ぶ~議会はどんなところ?』をテーマに社会科授業のフィールドワークとして、議事堂を訪問しました。「議事堂見学・議会体験」「議会の仕組みなどの説明」をしていただきました。議長・委員長・町長・総務課長などの役割をロールプレイングしました。

アクティブラーニング【数学】生徒・先生対談

秦 洋輔先生 数学科教諭 2学年担任
西田琉我さん 進学・教養コース 2年 帯広大空中出身
今泉伶太さん 進学・教養コース 2年 帯広緑園中出身

秦 洋輔先生
西田琉我さん
今泉伶太さん

秦先生(秦):
数学の勉強で変化があったことってある?
西田さん(西):
僕は中学生の時は本当に勉強が苦手で、高校に入ってから伸びたと思います。
秦:
なんで伸びたんだと思う?
西:
やる気の問題だと思います。中学生の時は本当にやる気がなくて…高校に入ってから頑張ろうと思いました。
秦:
勉強のやる気のスイッチが入ったきっかけはある?
西:
友だちに勉強を教えたりとか、授業中にみんなの前で教えたりとか…
秦:
そうか。伶太は?中学校と比べてどう?
今泉さん(今):
中学生の頃は、部活だけ取り組んで、全然勉強に集中できなかったんですけど、高校に入って、周りのみんなが勉強をめっちゃしてて、それでやらなきゃいけないなという感じになって、それでやり始めたのがきっかけです。一緒に勉強したりわからないことを教え合ったりしてて、そこからちょっと楽しいなって思えてきて、成績は、格段に伸びたなと思います。
秦:
伸びたなっていう実感はあるんだ?
2人:
はい
秦:
周りの勉強やっている雰囲気っていうのはどんな感じなの?
今:
琉我とか、周りの友人が授業に集中していて、そういうのを見て自分もやらなきゃなって。
秦:
そうなんだ。クラスの雰囲気とか自分の仲の良い友だちが勉強に対して前向きだったのかな?確かに、去年のクラスも勉強に対する意欲があったよね?
今:
はい。
秦:
クラス全体がそういう雰囲気になれたっていうのはどういう理由だと思う?
今:
やっぱり授業中でのグループワーク、生徒だけで教え合ったりする取り組みを通して、勉強がわかり始めて、みんなどんどんやる気になっていったんだと思っています。
秦:
なるほど。グループワークは自分の勉強のやる気にもつながってきたの?
今:
はい。 
西:
そうですね。
秦:
グループワークのどんなところが良いところだと思う?
西:
先生だけに頼るんじゃなくてみんなで教え合ったほうが、理解力も深まるし。
秦:
うん、伶太は?
今:
正直、先生にはちょっと聞きにくいとこがあって。友だち同士だと聞きやすいので、分からないところを補い合えるのがいいのかなって。
秦:
前向きにグループワークに取り組めるようになったっていうのは、今までと違いはあるのかな。
今:
中学の時には、数学に苦手意識があったんですけど、高校入ってだんだん解けるようになって楽しくなって、もっと問題に挑戦してみたいなって思うようになりました。
秦:
放課後もみんな残って勉強やってるでしょ。どうしてそれを放課後残ってやろうって思える気になったの?
西:
友だちを勉強に誘って、わからない問題を友達に聞いたりして、分かるようになったらテストも解けるかなって思ったのが始まりです。
秦:
勉強を人に教えてて、嬉しいなって思うことはある?
今:
問題を解けなくて困ってる友だちがいるときに、「あ、分かった」って言って、解いてくれたりしたときは嬉しいなって。
秦:
うれしいよねぇ。
西:
自分がわかってて、他の人に教えることによって、もっと理解度が深まって、また自分の勉強にもなるなって。
秦:
うんうん。伶太は?
今:
問題を解いて、それを友だちに教えることで、自然的に復習になってるなって思います。
秦:
わかるわかる。でもさ、中学校のとき数学苦手だったんでしょ?
西:
本当にダメでした。 
今:
めっちゃ苦手です。
秦:
すごく苦手だったんでしょ?一番最初の授業で、「数学得意な人―」って、手を挙げてもらったでしょ。「得意な人」って聞いて全く手が挙がらないし、「好きな人―」って聞いて、もう一回手挙げてもらっても、全然手挙がらなったよね。
2人:
はい。
秦:
だけど今「数学得意な人」「数学好きな人」って同じ質問されたらどう?
西:
いやぁ、もう真逆ですね。好きだし得意でもあります。
秦:
友だちから「数学を教えて」って言われたときの気持ちはどうだった?
西:
嬉しかったですね。自分でも教えることできるんだなぁって。苦手だったので…
秦:
黒板に出て説明したりもできるようになったけど、気持ちの変化はある?
今:
前は本当に、みんなの前に出て何かをするっていうのが苦手で、正直人前に出て解答を黒板に書くっていうのは嫌だった…
秦:
そうだよね、わかるわかる。
今:
でも1回やってみたら、なんか吹っ切れて…次も発表してみたい!みたいな。
秦:
1年間通して2人は成績も上がってるよね。琉我なんて、クラス2番まで上がったよね。伶太も前期と後期を比べたら10番近く順位を上げてる。2人とも平均点も10点くらい上がってるね。
西:
無茶苦茶上がってる(笑)
秦:
これからの勉強に対する目標はどんな感じ?
今:
1年トップ10以内に入れなくて、それがすっごく悔しかったんで、今年こそは入ってもっと、勉強に自信を持ちたいなって、それが目標ですね。
秦:
琉我は?
西:
俺は、上位を目指したいですけど、伶太には負けたくないです。
3人:
(笑)
秦:
いいライバル関係は大事だよね。伶太の目標は?
今:
去年も勉強はしてたんですけど、それよりももっとしないとって思ってます。みんな、ものすごい勉強量なのは知っているので。勉強量はまだまだ足りないかなって思ってます。1年の頃の倍くらいはやって、トップ10入りしたいなって…
秦:
その後の目標は?
今:
とりあえず、琉我と同じく位のレベルに…追いついて追い越します。
3人:
(笑)
西:
追い抜かせませんよ!(笑)
秦:
勉強でこういうふうに競い合うっていい傾向だなぁと思う!他の人たちもすごく頑張ってる人がいて、クラスの雰囲気も良くなっているのがわかる。さらにクラスで努力していってもらえたらなと、担任としては願っていますよ。